技術の進歩にただただ驚かされます・・・

はじめに

我々コンサルティング会社の人間は、様々な媒体を使って情報を収集し、整理・分類し、加工して使用することがあります。チームで、ある国やある業界、ある会社について情報を収集し、それを持ち寄って、整理・分類の軸を決め、ひとつのレポートとしてまとめていく、そんな作業もします。もちろん情報を収集する前段階からどのように整理すべきかアテはつけておきますが、全く未知なる内容の情報を収集する時は、集まった情報から解を導き出すという手法もよく取るものです。

そしてこの情報収集活動・・・意外と労力のかかる作業なのです。そんな時にある製品を知る事となり、技術の進歩に「ここまでできるようになったとは・・・」と、ただただ驚きを覚えました。

最新の情報収集技術

驚きを覚えた情報収集技術とは、先月のこのイノベーション通信Vol.20でご紹介させていただいたAutonomy社製品の情報収集技術です。私とチームメンバーが昨年春から夏にかけて行っていた、ある情報収集活動のさなかに弊社の本サービスの担当者から聞かされて、驚かされた製品です。このように言うと自社サービスをアピールしているようで(ちょっとはそうなのですが。笑)気が引けますが、正に自分達がある情報収集を行っていたさなかだったので、純粋なる驚きとして皆様にお伝えしています。

この製品の特徴は、情報管理上必要な3つの柱(情報検索、情報保全、情報履歴)から成っている事ですが、ここでは情報検索について少しご紹介します。この製品、あるキーワードで情報を検索すると、単純なキーワード検索ではなく、あらゆる情報形式(メール、文書ファイル、論文、映像等)から、概念的な解析を行い、文脈や類義語等も識別して自動的に分類までした状態で検索結果として出してくれるのです。

例えば「プリンス」というキーワードで検索をかけたとすると、「プリンス」とはホテルもあれば、車もあれば、歌手もあれば、皇族の意味のプリンスもあります。それらを解析して自動的に分類までして検索結果を出す事ができるのです。

まだインターネットが普及する前は、情報収集手段は新聞や雑誌、書籍、TVなど非常に限られており、必要な情報を見つけ出すこと自体が困難でした。ただし、現在は情報が溢れるが故に、その中から本当に意味のある情報を収集する事が困難となり、多くの工数を収集作業に費やしている事も少なくないのではないでしょうか。自分自身も情報収集に多くの時間を費やしていたため、短時間で且つ分類までしてくれる事に衝撃を受けました。

使う側の人間は大丈夫??

IT革命は農業革命、産業革命に継ぐ第3の革命と言われています。それぞれの革命のインパクトの大きさを比較する議論もあるようですが、単純に、これまでできなかった事ができるようになるということはすごい事です。感動を覚えます。IT革命とは異なりますが、あのアポロ11号が世界で初めて月面着陸に成功したのが1969年、それはライト兄弟が初めて飛行機を発明してからわずか60年余りしか経っていないのです。いかに早いスピードで技術が進歩してきたかが分かります。

このように技術が進歩すると、問われるのは使う側の人間の要素かもしれません。先に挙げた情報収集技術もそうですが、どんなに技術が進歩しても、使う側の人間がしっかりしていなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

例えば、Autonomy社製品の優れた情報収集技術を使って、ある情報収集をしたとします。先述したように、自動分類までして検索結果を出してくれますが、それではその情報をそのまま使用できるでしょうか?おそらく使えないでしょう。収集した情報をどのように使用するのか、誰に向かって発信するのか、それによって見せ方が全く変わってきます。例えば社内で使用するのか、特定のお客様へ報告するのか、ホワイトペーパーのように公に発表するのか。我々は目的に向かって、収集した情報を加工するでしょう。

目的を忘れ、ただ収集された情報を使用しても、それは目的を達成していないわけですから、せっかく収集段階で使用した高度な技術も生かされていないわけです。それらはあくまでもツールに過ぎず、使うこと自体が目的ではないのです。何のために情報を収集するか、何のために空を飛ぶか、何のために宇宙に行くか。目的を忘れることなく、進歩した技術を生かしたいものです。

おわりに

今回は私が身近で感じた技術の進歩に関するちょっとしたビックリを紹介したうえで、そうは言っても使う立場として忘れてはいけない原理原則を自分自身に言い聞かせたようなコラムとなりました。分かっているつもりでも意外と忘れがちな事で、でもとても大事な事なので時々自分に意識的に言い聞かせています。これを読んでいただいた方も、少しでも共感していただけると共に、弊社サービスであるAutonomy社製品にも少しでも興味を持っていただけると幸いです。

ご参考): 高度情報管理サービスのご紹介

コラム担当:イノベーションデザイン推進部
福島 大輔

※執筆者の所属は執筆当時のものであり現在とは異なる場合があります。