モチベーション再考 ~明るく、楽しい、前向きな雰囲気の醸成にむけて~

私どもは日々、いろいろな業種の大小さまざまな規模のお客様から、いろいろなご相談をお受けしております。 本日はその中で、ここ数年よく話題に登る従業員のモチベーションについて、一緒に考えてみましょう。

個々の従業員こそが企業競争力の源泉、あるいは競争力を生み出す主体である以上、モチベーションの維持・向上は、熾烈な競争を勝ち抜くうえでとても重要なこと。 そのことに気づき、このままではいけないと危機意識を強く持つに至った、お客様が多くなってきたことの表れだと思います。

しかしながら、以下の調査結果からもわかるように、近年、若手従業員のモチベーションは著しく低下しています。

75%が現在の仕事に無気力感、約半数が潜在的な転職志願

現在の仕事に対して無気力を感じる人は75.0%でした。
また、3年前と比較して「あまり成長した実感がない」が42.5%に達し、現在の仕事に「社会的使命感を感じない」は31.7%でした。

やりがいの源泉は報酬、自分らしさ、キャリアアップ

若手がやりがいを感じる仕事についても聞きました。
それによると、「報酬の高い仕事」が29.0%でトップでしたが、以下は

  • 「自分だけにしかできない仕事」(22.0%)
  • 「新しいスキルやノウハウが身につく仕事」(21.8%)
  • 「自分の実績として誇れる仕事」(21.5%)

が上位にきています。

お金以外の報酬として重視しているものを具体的に聞いたところ、

  • 「仕事自体の面白さや刺激」(44.5%)
  • 「同僚や後輩から信頼されたり感謝されたりすること」(35.0%)
  • 「顧客から感謝されること」(34.2%)
  • 「上司から高い評価や承認が得られること」(26.6%)

が上位に挙がりました。出典:http://www.nri.co.jp/news/2005/051205.html)


ただ残念なことに、このモチベーションの維持・向上には、即効性のある特効薬はございません。
しかしながら、このような状況下でも、従業員の高いモチベーションを維持し、活発な企業活動を続けている会社があるのも事実です。

このような元気の良い会社には、明るく、楽しい、前向きな雰囲気があります。
「明るい雰囲気」は、職場における協調体制、公平性、能率を向上させ、適度な笑い声は、組織の波長が合っていることの示すバロメーターでもあります。

もう少し突っ込んで見てみると、以下の共通した特徴があるようです。

  • 企業・事業戦略の分解とミッションの共有・理解の徹底
  • 適正なジョブマッチングと配置転換のルール
  • 社外でも通用する知識修得やスキル開発の機会提供
  • 上司・部下との円滑なコミュニケーション
  • 部門間との情報共有と活用の仕組み

人財の開発・動機付けの重要性と、その効果を持続させ極大化するためには、制度の面からの支援が有効であることを認識し、人事関連の諸制度を有機的に結びつけ、継続的に改善しようと取り組まれています。

従業員のモチベーションを維持・発展させる第一歩は、実態を正しく捉えること、従業員の声に耳を傾けることから始まります。
従業員の仕事に対するモチベーションや、相互のコミュニケーションレベルはいかがでしょうか?
人事関連の諸制度は、それらを維持・向上するものとなっているでしょうか?

次回コラムでは、コミュニケーションについて再考してみようと思います。

ジェクシードコラム担当